「○○が大活躍の映画音楽5選!」Hr編
- 事務局 FILM BRASS
- 2020年3月19日
- 読了時間: 5分
「○○が大活躍の映画音楽5選!」シリーズの初回を担当します、ホルンの鎌田渓志です。
一般にトランペットやトロンボーンに比べると少し地味な印象のホルンですが、映画音楽においては一切そんなことはありません。
その昔、私が吹奏楽部に入部し、半ば強制的にやらされることになった地味でつまらないホルンのことを、こんなにも愛するようになったのは数々の映画音楽のお陰です。
星の数ほどある映画音楽の中から、ホルンを大好きになるような作品を厳選して紹介したいと思います。
(あくまで私の個人的感想です。)
5位「遥かなる大地へ」(1992)

悩みに悩んで選んだ第5位は「遥かなる大地へ」(ジョン・ウィリアムズ)です。トム・クルーズとニコール・キッドマンが結婚してまもない頃のラブラブの頃の作品で、あたかもウエディングムービー。日本ではあまり有名でない(そもそもあまり面白いとは言えn….)作品ですが、ジョン・ウィリアムズの音楽はピカイチ。作品のスケールを大きく膨らませる壮大な音楽、アイルランドの民謡からインスピレーションを受けたノリノリの楽曲。トランペットに比べて機動性が低く見られがちのホルンですが、そんな曲たちの中で、細かく難解な動きで楽器を鳴らしまくるのです。「ホルンかっこいい!」と唸る事間違いなしの作品です。
4位 「ハリー・ポッターと賢者の石」(2001)

4位に選んだのは、言わずと知れた超人気シリーズの一作目「ハリー・ポッターと賢者の石」(ジョン・ウィリアムズ)です。ホルンも担当する”ヘドウィグのテーマ”冒頭のメロディは今シリーズの中でも最も有名な節では無いでしょうか。また、”ホグワーツ・フォーエバー!”はシリーズをご覧になった方なら必ずお聞きになった事のあるメロディかと思いますが、なんとホルン4重奏の楽曲です。ホルンの活躍する曲は沢山あれど、一曲丸々ホルンだけとはなかなか珍しいですよね。
3位「タイタニック」(1997)

続いて選んだのは世界中で超特大ヒットを記録した「タイタニック」(ジェームズ・ホーナー)です。この作品はなかなか珍しく、普通のサウンドトラックの他に『Back to Titanic 』という続編(?)があります。このアルバムに収録されている組曲が絶品なのです。「タイタニック」の魅力を余す事なく取り込んだ大組曲なのですが、ソプラノとホルンのメロディが本当に美しく、「人の声とホルンの音色ってこんなに合うんだ」と感動さえ覚えます。
作曲はJames Horner。Horner…Horn…er…ホルン人?笑
ホルンが活躍しない訳ないですね 笑
2位「ヒックとドラゴン」(2010)

最近3作目が公開され話題になった「ヒックとドラゴン」(ジョン・パウエル)を2位に選びました。ホルンというのは、元々角笛という意味ですから、ドラゴンの映画には雰囲気がピッタリですね。FILM BRASSでも度々演奏してきた今作ですが、激しくカッコいい曲、おどろおどろしい曲、美しい曲、ワクワクする曲…全てでホルンが活躍しています。ホルン特有の吠えるようなメロディ、雄大な雰囲気を作り出す対旋律、何をとっても最高です。
1位「ジュラシック・パーク」(1993)

私にとって、不動の1位はなんと言っても「ジュラシック・パーク」(ジョン・ウィリアムズ)。ミュージカルなど音楽メインの映画以外で、こんなにも音楽が効果的に使われているシーンはないだろうと思うのが、主人公たちが初めて恐竜を目の当たりにする場面です。(画像のシーン)
このシーンの感動を文章にしようと何日も悩んだのですが、書けば書く程に野暮ったくなってしまったので、あえて書きません。名作中の名作ですが、改めて音楽に着目して鑑賞してみるのは如何でしょうか?
…..あれ….5~1位に「スター・ウォーズ」ないじゃん…と思った方いらっしゃいますよね?
そうなんです、「スター・ウォーズ」はホルンが活躍すると言う次元を超越しています。
「ホルン無しでは語れない映画」なのです!
そこでここからは番外編!
「ホルンが大活躍のスター・ウォーズ楽曲5選!」
5位「ヨーダのテーマ」(Ⅴ 帝国の逆襲)

オーケストラの中音域を担う2つセクション、ホルンとチェロによるこのメロディは、暖かく、懐かしく、どこか知性を感じさせるものです。また楽曲中には、ヨーダと言うキャラクターの愛らしさも散りばめられており、聞いていてホッコリする楽曲です。
4位「王座の間とエンドタイトル」(Ⅳ 新たなる希望)

エピソードⅣのエンディングを飾るこの楽曲は、ホルンだけでなく、金管楽器全般が大活躍です。単純明快なファンファーレに始まり、厳かで誇り高き雰囲気を持った旋律を経て、有名な「メイン・タイトル 」に回帰します。まさに「スター・ウォーズ」を締めくくるに相応しい曲です。この曲を聞いて心が踊らない金管楽器ファンはいないでしょう。FILM BRASSでも度々演奏しています。
3位「フォースのテーマ(バイナリーサンセット)」(Ⅳ 新たなる希望)

このテーマは9本あるシリーズ中で、最も使用されているテーマの一つではないでしょうか。希望に胸を膨らませる場面、辛く悲しいシーン、過ぎ去りし日々に想いを馳せるシーン、あらゆる場面で登場します。しかもどんな場面でもピッタリ雰囲気にハマるという魔法の旋律です。
ホルンで演奏されることがとても多く、物語上、重要なシーンに頻繁に使用されています。ホルン奏者からするとこんな名誉な事はないですね!(エピソードⅧ の重要なシーンではトランペットが演奏していますが…悔しい!)
1位タイ「レイア姫のテーマ」(Ⅳ 新たなる希望)
「ハン=ソロと王女」(Ⅴ 帝国の逆襲)


ホルンの美しいソロと言って思いつく曲はなんでしょう?
チャイコフスキーの交響曲5番や、ストラビンスキーの火の鳥の終曲、ブラームスの交響曲たち。名作曲家たちが沢山の美しいホルンソロを世に残していますが、1位に選んだこの2曲も、それらの名曲たちに並ぶ素晴らしい曲です。
J.ウィリアムズは、美しく、純真無垢なレイア姫のキャラクターに、ホルンの柔らかな音色を重ねていたのでしょうか。レイアにまつわる曲は他に「ルークとレイア」(Ⅵ ジェダイの帰還)がありますが、この曲でも主題をソロホルンが奏でています。
このように「スター・ウォーズ」では、重要な局面や、登場人物のテーマとして、ホルンが大変重宝されています。上に「ホルン無しでは語れない映画」と記載したのも納得いただけると思います。
如何だったでしょうか?
「○○が大活躍の映画音楽5選!」Hr編 と題した本記事。
この記事をきっかけに様々な映画の劇中で聞こえてくるホルンに再注目して頂けたら幸いです!
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